第22回日本消化器癌発生学会総会

ご挨拶

第22回日本消化器癌発生学会総会開催にあたって

来る2011年11月25日(金)、26日(土) 佐賀市のホテルニューオータニ佐賀に於いて、第22回日本消化器癌発生学会を開催させて頂くことになりましたことを大変光栄に存じています。

今回の大会メインテーマは、一葉知秋 ―分子からがん進展を探る― とさせて頂きました。一葉知秋とは淮南子・説山訓に記された「一葉の落つるを見て、歳の将に暮れなんとするを知る」に由来する言葉であり、分子異常というわずかな現象から、学会の命題であるがん発生・進展という大きな生命現象を探求する姿をイメージしました。近年、超高速DNAシークエンサーなどの科学技術の実用化により、詳細な遺伝子発現解析やゲノム・エピゲノム解析が可能となり、がん研究も新たな局面を迎えようとしています。近い将来、がんにおける分子異常の全体像が明らかになり、がん遺伝子、小分子RNA、構造多型などの新たな発見やその存在意義が解明されるものと望まれます。特別講演、教育講演ではこの分野で第一人者の先生方にがんゲノムの先端研究の話題をお話しして頂くようお願いしました。

これまでに日本消化器癌発生学会は、消化器癌の診断、治療、および予防の向上、発展に寄与することを目的として、臓器別に偏ることなく、基礎医学と臨床医学の視点から消化器癌の発生および進展に関する優れた研究を発表する場として発展して参りました。今回の学会も伝統と輝かしい業績を継承しつつ、臓器を超えた消化器癌研究の相互の情報交換と討論の場として、今後の新たな研究の展開を図る機会として頂くべくプログラムを企画したいと考えております。会員の皆様方にとって有意義で実りある学会になるよう、教室員一同、誠心誠意努力する所存でおります。少しでも多くの先生方から演題を応募賜り、会場で討論にも参加して頂きますようお願い申し上げます。

さて、佐賀県は有田、伊万里、唐津、武雄と焼き物の里として有名ですが、佐賀(肥前)藩は幕末、西洋文明を取り入れた卓抜した技術革新で明治維新に貢献し、大隈重信候始め多くの偉人を輩出しました。佐賀市はその名残豊かな静かな城下町です。玄界灘、有明海という異質の海からの魚介類、佐賀牛などの美味、全国金賞受賞の美酒も沢山ございます。今回は週末の金曜日、土曜日の開催となりましたが、会員の皆様方には晩秋の肥前路で日頃の疲れを癒して頂くことを含め、 奮ってご参加を賜れば幸甚に存じます。

第22回日本消化器癌発生学会総会 会長
宮﨑 耕治
(国立大学法人佐賀大学理事、副学長、附属病院長)

このページのトップへ